【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第16章 直哉と悟※
悟がそう言うと、直哉は眉を顰めた。
直哉のその様子を見て、悟はハッと笑った。
「ななの好意が無くなったのを、目の当たりするのは辛いか?」
直哉を見ながら悟は笑いながら言った。
悟の言葉は図星で、直哉はギリっと奥歯を噛んだ。
「何だ…直哉くんってもっとドライかと思ったよ。」
呆れた様に悟は肩をすかしながら言った。
ななに執着していた割には、他の女に目移りするし、それほどななの愛情には興味が無いと思っていた。
ただ自分のモノであるななを手放そうとしない執着が直哉の愛だと思っていた。
それが意外だ。
ちゃんとななを好きな様だ。
なるほどね……。
悟は柄に入ると言ったななを思い出した。
自分を傷付けることで直哉に復讐していると思ったけど、どうやら違うらしい。
ななは直哉の自分への気持ちを知っている様だ。
それでいて、直哉を愛さない。
そんな選択をした様だ。