【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第16章 直哉と悟※
「……別に俺本気出してねぇし…。」
「手は出そうとはしとってん…。」
むしろ手ぐらいならすでに出してる。
「何?」
段々イライラしそうなので、直哉の話を早めに終わらせたくなった悟は、本題を聞いた。
「……ななの身体に傷を作るのやめてくれへんか?」
直哉の言葉にピクッと悟の下瞼が動いた。
「…俺が作ったわけでも無いし、弱いなながわるいだろ?」
直哉の心底嫌そうな、怒りを溜めた顔を見て、ななの直哉への反抗は順調なのだと分かった。
(馬鹿な事をするなと言ったのに…。)
自分を傷付けて直哉を傷付けていると、ななの考えが分かった時に、スッと気持ちが落ちた。
(俺本当に馬鹿な女嫌い…。)
そこまでやる程、直哉を無視できないななに、怒りさえ覚えた。
「そんな気にするなら、またさっさと禪院家戻せば?」