【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
ななの事を理解してあげなければいけないほどの関係でも無い。
暑い中、2人で何も言わずに並んで歩いた。
悟の足の長さなら、もっと早く歩けそうなのに、どうやら歩幅を合わせてくれている様だ。
「……俺に手伝える事ある?」
ボソッと悟が呟いた言葉に、ななは悟を見上げた。
「私を強くして、最低でも準2級以上…高専に居れる間に。」
ななは足を止めて、真っ直ぐに悟を見ながら言った。
どうやら本当に決めた様だ。
直哉との在り方を。
「柄部隊に入れる位?」
「そう。」
悟はそれ以上何も言わなかった。
そのまま京都駅まで向かって、悟が買ってある新幹線のチケットを受け取った。
悟がチケットから手を離そうとした時、悟の手に雫が落ちた。
悟は自分の手に落ちてくる雫をしばらく見てからななを見た。
「勘弁してくれよ、他の男の事で泣いている女を慰める趣味は無いんだよ。」