【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
駅に向かう道を歩いていると、前から見慣れた長身が歩いてくる。
本当に何処にでも現れるなと思いながら、その姿が自分の目の前に来るまで、ななは悟を見ていた。
「……やる事は決まった?」
ななの目の前まで来ると、悟は笑いながらななに聞いた。
サングラスの奥の六眼が少し、目を細めていた。
「……うん…。」
悟から目を背ける様に、少しななの顔が俯いた。
そのななの行動を見て、悟はさらに目を細くする。
「……褒める事しろとは言わねぇけど、馬鹿な事するなとは言えるぞ。」
悟の言葉を聞いて、ななは苦笑した。
「どうかな……欲しいモノは手に入りそう。」
笑顔とも見えない笑みでそう言ったななに、悟はため息を吐いた。
本当の所、悟はななの事を何も知らない。
直哉をどう思っているのか、ななはどうしたいのか。
悟は何も聞かなかった。