【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
「…何?なな…。」
身体は熱っているのに、ヒヤッとした汗が流れた。
「別に……直哉くんがもし願うなら……そうなってもいいよ…。」
笑ってそう言ったななの顔に、急に焦りが心臓を締め付けた。
「ええって…ごめんやて…ちゃんとするさかい…。」
口の中が乾いて、言葉が詰まった。
そんな表情で、そんな言葉で、ななが何を考えてるのか全然分からなかった。
不安でななを抱き締めた。
「ななは変わらんといて、俺がちゃんとするから、もう泣かせへんから…。」
ななの抱いている直哉の腕が震えていた。
震える直哉の腕を掴んで、ななはぼんやり考えた。
本当に直哉くんは私の事になると敏感だ。
私の事なんか、理解出来ないくせに、私の変化にはこんなにもすぐに分かる。
ななが何を考えているかなんて分かってないのに。
震えて抱き付いてくる直哉を横目で見た。