【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
離れたななの手を見ても、直哉は顔を顰める事は無く、その手の上に自分の手を添えてぎゅっと握った。
そして、そのままななの中に入ってくると、その感覚に涙が流れた。
こうして何度も直哉の下で、自分を求めてくる直哉の顔を見上げていた。
直哉の快楽に昂揚した顔も、目が合った時に重なる唇も。
直哉の全ての行動に、いつだって愛しさが溢れていた。
「なな…気持ちええ…。」
直哉の熱い息と一緒に舌を絡めて、同じ様に直哉を求めると。
ふと、乾いた心から言葉が浮かんだ。
「直哉くん……。」
直哉の律動を止める様に、ななはぎゅっと直哉を抱き締めた。
「?」
直哉が戸惑ってななを見ると、涙を浮かべても、真っ直ぐに自分を見てくるななと目が合う。
「私が…、直哉くんの言う通りに、側に居れば満足?」
そう笑ってななに言われて、直哉の背筋にゾクっと悪寒が走った。