【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
はぁ、とため息を吐いたななの顔を掴んだ。
「!」
痛みに顔を歪ませると、同じ様に顔を歪ませている直哉と目が合う。
「いつまでそんな態度を取るつもりや?」
「…………。」
ななの態度が気に入らない直哉が低い声で言った。
そんなのずっとだろう。
直哉がここにななを閉じ込めておく限り。
「…直哉くん、私に何を望むの?」
パッと直哉の手を払ってななは言った。
「…さやな…早うななが折れればええんやけどな。」
ななは中々折れそうも無い。
どうすればまたななが直哉に気持ちを向けるか。
考えてもまだ答えが出ない。
そんなななに苛々するも、無理矢理に足を折る訳にもいかない。
そうして手に入れた所で、ななの気持ちは戻らないのが分かっているからだ。
自分に気持ちが無くなったななと向き合うのは、思ったより胸を痛めた。