【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
直哉の煽りに、男はズカズカと近付いてきて、直哉を殴った。
すぐに手が出たのは、周りに友達が居るからだろう。
顔を殴られた直哉は、痛みを感じていないかの様にフッと笑った。
それが余計男を刺激させ男は直哉に掴みかかると、そのまま馬乗りになり直哉を殴り続けた。
直哉が素直に殴られ続けてたのは、痛く無いからと……。
「やっ…やめてっ!」
ななが来るのが分かっていたからだ。
ななは直哉が殴られているのを見て、思わず声を出してその場に割って入って来た。
そして倒れている直哉を抱き起こした。
男はななが来たと分かると、すぐに直哉から離れた。
そして動揺を隠さないで2人を見下ろす。
直哉が思っていた通り、ななへの淡い恋心が男にはあった。
「……こんなに一方的に暴力を払うなんて酷い!」
ななはクラスメイトでもある男を見上げて、睨みながら言った。
ななの胸に顔を埋めながら直哉はスッキリした。
直哉はななの性格をよく知っている。
普段はオドオドしていても、曲がった事が嫌いなななはこういう行為には断固として声を荒げる。
それが自分では無く、そのまま周りの人間が被害者なら尚更だ。
コンプレックスの顔の事をいじられたなど言えるはずもなく、何も言えないでいると、ななは直哉の体を支えながらその場から離れた。
勿論、ななに支えてもらわなければならない様な傷では無い。