【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
だけど側に置いとけばそれだけ嫌でも目に付くものもあった。
ななが楽しそうに学校生活を送っている。
自分の側から離れて笑顔で人の中心にななが居る。
それはとてつもなく不快な気持ちだった。
馬鹿兄貴だけでは無くて、色んな男達がななを色目で見ている。
馬鹿兄貴達は殴れば済むが、非術師にはそうはいかなかった。
うーん…と直哉は悩んだ。
いつもの様に力ずくでどうにかしたら、ななはまた離れるだろう…。
そうだ。
今度は逆に殴られてみよう。
中でもオラ付いて調子に乗っているアイツ。
アイツが1番気に入らない。
ななはちょい悪程度に憧れる馬鹿な女じゃ無い。
まずはアイツからだ。
直哉はワザとその男達の溜まり場にズカズカと入って行った。
突然現れた直哉に、男達は不可解な顔をしながら笑っている直哉を見返した。
「おい、そこの自分。
自分やで?潰れた饅頭みたいな顔の。」
直哉は1番奥にいた男を指差しながら言った。
友達の前で顔をいじられたその男はすぐに顔を赤くして怒りを露わにする。
「自分そんな顔でななの側におって恥ずかしゅうあれへんのか?
けったいな目でななを見るな、きしょい。
ななが夜うなされるやろうが。」