【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第14章 潰れる心※
少しでも直哉を拒否する様に体を捩れば、強く体を掴まれる。
今自分が痛みに声を出しているのか、快楽に声を出しているのか分からない。
ただ直哉に触れられる場所だけが、直哉の色に染められていく様だった。
「なな、しばらく俺の部屋で過ごして……そんでまた高専に行ってもええで。」
ななの抵抗なんて、もう直哉の情欲を止める理由にもならない。
好きな様にななを抱いて、その心を懐柔出来れば、後はもうどうでもいいのだ。
その先のななが、自分に反抗する事が無いのを知っているから。
自分の中に直哉が入ってきても、こんなにも何も感じない時はあっただろうか。
ななは直哉に揺さぶられながら、そんな事を考えていた。
何も感じない。
心も体も。
ただ、直哉に何も伝わらない虚無感だけが、心を支配する。
それは簡単にななの心を壊した。