【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第14章 潰れる心※
スゥッと自分の感情が冷めていくのが分かった。
全然おもろないでなな。
最悪や。
いつからそないな顔で俺を見る様になった?
「はっ……なな。」
苛々する感情をため息と一緒に吐き出した。
スッと手を伸ばして、小春の背中を押した。
「…もうええで小春ちゃん…、着付けはななに頼むから。」
そう言って、小春を部屋からだそうとして、2人きりになろうとする直哉に、ななは顔を顰めた。
「…直哉くん…悪いけどもう広間に戻るね…。」
「何や…俺の誕生日に来て、祝いもないんか?」
今更自分が直哉に何が出来るのだろう。
直哉の言葉に、ななは初めて嫌悪感を感じた。
「…悪いけど、今日はお祝いしてあげれる気持ちにはなれそうもないよ…。」
直哉がななにした事を考えたら当たり前だ。
両親の立場を考えなかったら、来る予定も無かった。
何故、他の女性が選んだ正装を自分が着付けなければならないのか。
全く理解出来ない。