【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第14章 潰れる心※
「……何やそれ……。」
直哉はななの術式に、何の脅威も感じずに簡単に祓った。
「?!」
ドロドロとななの口と鼻から血が流れ落ちた。
流れた血を真希に付かない様に、ななは体を捩った。
ななを気遣う事も無く、直哉は距離を縮めてくる。
鼻と口から流れる血を抑えて、ななは直哉を見上げた。
「ななはやる事がぎょうさんあるやろ?さっさと準備しとき。」
ななを見下ろして直哉は表情を変えずに言った。
そう言った直哉は普段着で、正装を着ていない。
ずっと直哉の正装を選ぶのはななの仕事だった。
「……直哉くん…離れて……。」
これ以上直哉の領域に居たら、出血どころでは無かった。
ななは自分が気を失わない様に、ぎゅっと真希を抱きしめた。
「………さっさと準備せんかい。」
そうななに告げると、直哉は背を向けて自分の部屋に向かった。