【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第13章 夏の日
ちゃんと愛があったのなら、何故自分が選ばれなかったのか。
どうして同じ様に愛されないのか。
「……悟くんは優しくないね…。」
「……優しくして欲しい?」
そう答えた悟に、ななは首を振った。
人を愛してこんな思いをしないといけないなら、もう誰かを好きになりたく無い。
もし、次に好きになったのが悟なら、きっとまた泣くだろう。
だから悟の優しさは要らない。
「…残念だけど、ななは俺を好きになるよ。」
ななの今の気持ちが分かってなお、悟はななに手を伸ばした。
このどうしようもないほど、愚かなななを自分のモノにすると決めたのだから。
グッとななの頭を掴んで、涙で濡れている唇にキスをする。
ななが俺を好きだと言うまで、甘い言葉は囁いても、愛は絶対に囁かない。
ムカつくよね。
自分が好きな女が他の男を好きだなんて。