【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第13章 夏の日
「はぁ…ひどいねぇ…。」
自分の黒い気持ちに気が付いた時に、悟の声がして、ビクッと肩が跳ねた。
「ななは俺の気待ちも欲しいの?直哉くんみたいにドロッドロに俺に愛して欲しい?ななは俺の事愛してないのに。」
離れていた悟の顔がまた近付いた。
ななの気持ちを試す様に覗き込む悟に、ななの顔が歪んだ。
「……要らない……。」
悪い事を考えているのは自分なのに、何故か涙が出そうになって、我慢するのに瞼が震えた。
「好きじゃないなら、キスしたり抱いたりしないでよ!」
そう叫んだ時には、涙がポロッと流れた。
愛せないなら。
他の人に行く様な簡単な愛情なら、もう沢山だ。
「……ほら簡単に泣かされた…。もういい加減覚えなよ。
キスして抱いてくる男がみんな愛しているとは限らない。
まぁ、直哉くんの愛は間違いなくあったと思うよ?ななと合わなかっただけで。」