• テキストサイズ

【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎

第13章 夏の日


「そんなんじゃ、すぐに他の悪い男に騙されないか心配だなぁ。」

まるで他人事の様に言う悟に、ななの顔がかぁっと赤くなった。

すぐに悟の腕を払って、彼から距離を取る。




「……触らないで…。」

払ったのはななの腕なのに、震えているのもまた、ななの腕だった。

そんなななの腕を見ながら、悟の目が細くなった。




「…お互いフリーで、ななは弱ってて、そこに申し分の無い男が言い寄ってくる。
俺に縋る為の言い訳はスリーカード揃ってるのに、何を躊躇ってるの?」




前髪を掻き分けて、悟はななを見下ろした。

体を離した悟を見上げて、ななは自身の矜持を保つ為に手をぎゅっと握った。




「まさか俺に愛して欲しいなんて、自前勝手な気持ちが働いている訳じゃないよね。」




悟の言う通りだった。

自身の傷付いた心を癒すのに、愛せないと分かっていながら。

悟の気持ちは自分にあると前提のもと、当然の様に考えていた。

/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp