【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第13章 夏の日
「ななはどの花火が1番好き?」
「…ロケット花火。」
「意外だな…。」
ここでロケット花火を飛ばしたら、間違いなく先生が飛んで来るだろう。
コンビニの花火は、2人でやるとちょうど良い時間で終わった。
物足りなくも無く、飽きもせずに、最後の一本の花火の火花を見ていた。
「俺と付き合おう。」
「無理。」
悟の言葉に迷いもしないでななは言った。
ちょうど花火の火も消えた。
最後の花火を水が入ったバケツに入れて、ななは立ち上がった。
「悟くんの問題じゃ無いよ。」
まだ直哉が好きな自分の問題だった。
そう言って立ち上がったななを、悟は見ないで花火の後始末をする。
きっと悟は呆れているだろう。
その悟の顔をチラッと見て、ななは思った。
自分でも呆れている。
あんな裏切られ方をしたのに、悔しい位にまだ毎日直哉を思い浮かべる。