【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第12章 五条悟⑤
そして、悟に目線を向けるとすぐに飛び込んで悟に向かった。
早い直哉のスピードにななは何も出来ずにいたが、それを止めたのは直毘人だった。
直哉が悟に接触する前に、直毘人の『投射呪法』が直哉に放たれた。
一瞬動きを止められて、直哉はそのまま直毘人に吹き飛ばされる。
崩れかけた蔵がさらに直哉のぶつかる衝撃で完成に崩壊した。
「!!」
蔵に埋もれた直哉を見て、流石にななの顔が歪んで、口元を両手で塞いだ。
そうしなければ叫んでしまいそうだったからだ。
今すぐに駆け寄りたい気持ちを堪えて、瓦礫が崩れる音を聞いていた。
しばらくその場の全員が静観していたが、直哉が瓦礫から起き上がる事はなかった。
「なな、行こうか。」
その沈黙の空間で、悟の明るい声が聞こえた。
ななは悟に目をやると、悟はどうって事のない様に笑顔で自分に手を差し出していた。