【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第12章 五条悟⑤
それでも、震えて伺う様に見上げるななはもう居なかった。
ズシッと重い気持ちが直哉を襲う。
「…ななええ加減にしとき、また閉じこめられたいんか?」
直哉の言葉に、ななは目を伏せた。
やっぱり、あの日々は閉じ込められていたんだ。
直哉の機嫌を良くするだけの不自由な日々に戻るつもりはもう無かった。
「閉じ込められる気は無いけど、どうするの?」
抵抗したら、どうするのだろうか。
ななは術式を為の手印を結んだ。
「俺と術式で勝負するんか?」
ハッと馬鹿にした様に直哉は笑った。
「どのランクまでの術式をコピー出来るようになっな?俺の呪力を超えられるんか?」
それは到底無理で、直哉に術式を掛けた藁人形を破壊されたら、呪力切れて気を失うだろう。
術式は破られた時の術師への負担は膨大だった。
「何度でも争うよ、もう2度と直哉くんに私を好きにはさせない。」