【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
とりあえずななには自分と言う存在が居る事を知らしめる事は出来た。
入学式を終えて、ななが両親と別れると、直哉はすぐにななの離れに向かった。
ななに里心が芽生えるのも鬱陶しいからだ。
部屋に入って見たななは予想通り浮かない顔をしている。
その顔を見て直哉は顔を顰めた。
「……おもろそうな学校やろ?」
直哉に話しかけられて、彼が部屋の襖に居たことに初めて気がついた。
「……うん…。」
ななはサッと表情を変えて直哉を見上げた。
そのななの顔を直哉がジッと見ている。
直哉のその目線にゴクッと喉が鳴った。
「…沢山部活があって悩むねぇ…。」
ななは何枚か目ぼしい部活のチラシを出しながら直哉に言った。
入学したら当たり前に楽しむはずの部活に、少なからずななも心が躍った。
直哉の凶行で、友達になれそうな子はまだ見つかっていないが、それもすぐに解決出来るだろう。
直哉はスッと部屋に入って来ると、ななの手の中にあるチラシをグシャッと握った。
その直哉の行動にビックリした様に直哉の顔を見上げた。