【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
(……ああ…コレはあかん……。)
玄関前に張り出されたクラス分けの紙を見て、直哉の顔が歪んだ。
見事に2人とも違うクラスに分かれた。
ななは誰も知り合いが居ない土地に来た事に、すでに覚悟を決めていたのか、直哉と同じクラスでない事に、さほど困惑した様子は無かった。
直哉だけがしばらく呆然と立ち尽くしていた。
「…直哉くん…。」
ななが直哉の袖を掴んで声をかけた。
「……行こか……。」
直哉はななの背中に手を添えながら歩き出した。
ななのクラスの前に来て、ここにななだけを入れるのを躊躇する。
「……直哉くん……。」
ななの鞄を掴んで行かせない様にする直哉に、ななは呆れた様に顔を見上げた。
(せやかて、ライオンの群れに可愛いななを放り込む様なモノやで。)
ああほら!もう群がっとる!
「君のクラスは何処だい?」
「ここや。」
ななの側から絶対離れない直哉のその後の暴れっぷりは入学早々伝説になる。