【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第11章 五条悟④※
部屋の外の気配に、直哉はピクッと眉を動かした。
「直哉様。」
大人しい声は、小春のものだった。
直哉は小さくため息を吐いた。
そういえば、この毎日の訪問をどうにかしなくてはならない。
少し面倒くささを感じるも、直哉は小春を部屋に招き入れた。
「小春ちゃん、もう毎日来んでええで。」
どうせ小春も望んで来ている訳では無いだろう。
今はなな以外に性欲処理をして貰いたい訳では無い。
直哉が笑いながらそう言うと、小春の顔色が曇った。
モジッと手を動かして、顔を伏せるのを見て、直哉は目線を小春の手元にやった。
着物の袖から、痣が見えて、直哉はつまらなそうに乾いた声を出した。
「なんや…折檻されとるんか?」
最近はずっとななに会う為に、東京に行っていた。
きっと直毘人に命令された、直哉を京都に引き留める事が出来なくて、体罰を受けているのだろう。