【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第11章 五条悟④※
それでも、直哉くんに体を許したのは怒りが湧いた。
堕ちても良いと思っていたが、体まで捧げるとは思っていなかった。
悟から見たななは、もう少し賢く、理性ある女だと思っていた。
こんな風に、体を使って直哉を引き止めようとしたのは計算外だった。
思い出して、舌打ちしそうになって、悟はななを離した。
「…ハッキリと白黒付けなよ。」
言い切れるのは、直哉がななを裏切っていると、自信があるからだ。
思い詰めた顔で、下を向いて考えているが、ななの答えもまた分かっている。
3年間、禪院家で調教されていたであろうなな。
いかなる時も、直哉が中心で、直哉の考えが全てだと教え込まれただろう。
直哉に正妻が出来ても、ななが離れない様に、毎日毎日言い聞かせていたはずだ。
本来のななの性格は全然違うから。
それは根気がいった作業だっただろうに。