第11章 五条悟④※

もう嫌だ……。

出口がない、暗闇の様だった。




一度裏切られた気持ちは、簡単には許せない。

なのに、切り離す事が出来なかったら。

縋るのは自分の方だった。




もう自分に直哉を引き留めるだけのモノは残っていなかった。




こんな気持ちにする直哉を。

初めて憎んだ。


























「ななはこっち〜。」

高専の制服に着替えて、ななは悟に呼ばれるまま後を付いて行った。

今日は校舎の中に入った。




一年の教室の前で悟は止まると、ガラッと勢いよくドアを開けた。

中に居たのは、この前会った七海と灰原だった。

「今日から合流。」

ニヤッと笑って、悟はななを教室に置いて行った。




「やっと来たんだ。」

呆然としていたななに、灰原が話しかけてきた。

「……えっと…私、入学したの？」




自分が置かれている状況がよく分からなかった。