【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第10章 禪院直哉②※
それは中々難しい注文だった。
浅く息を吐いて痛みを逃しても、直哉が動けばまた痛みで体が強張る。
「うっ…直哉くん……。」
こんなのが入るわけ無い…。
ジワっと流れたななの涙を見て、直哉は一旦動くのをやめた。
(全然入らへん場合、どないしたらええんや?)
無理矢理押し込むのは絶対違う。
てか、これを無理矢理突っ込んで、ななは大丈夫なんか?
「…なな…。」
泣くななの顔にキスをして宥めても、どうにもなりそうも無かった。
「………なな……今日は……。」
辞めたくない!だけどななを見ると、そんな言葉が勝手に出てきそうだ。
「やだ…辞めないでっ。」
ぎゅっと抱き付いてくるななに、気持ちが再熱する。
「…ちょいしんどうするけど、かんにんな…。」
ななを抱き締めて更に腰を押し付けた。