【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第10章 禪院直哉②※
「なな、触るで…。」
やっと触れられる肌に、直哉はとても嬉しそうに笑っていた。
ベットに寝かされて、直哉を見上げると。
その優しい笑顔とは裏腹に、いい様の無い不安が込み上げてきた。
「…直哉くん…。」
キスをしてくる唇が離れた時に、ななは眉間に皺を寄せて苦しそうに聞いた。
「…これでもっと私を好きになってくれるの?
他の女の人が目に入らない位に……私だけを好きでいてくれる?」
そう言ったななに、直哉はフッと笑った。
「当たり前やろ。」
元よりななより好きになる女なんか居なかった。
「直哉くんに触るのは私だけで、私だけの直哉くんになってくれる?」
ポロポロと涙を流すのはさっきと同じ光景なのに。
今こうして泣いて縋っているななには、とても気分が良かった。
「ああ…これで俺はななのモンやな…。」