【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第1章 禪院直哉の婚約者※
部屋に案内されると既に必要なモノはセットされていて、すぐに部屋が使える状態になっていた。
ななはその部屋を見渡して、ぎゅっと両手を握った。
私は本当に今日からここで過ごすのだろうか。
東京から離れて、親からも友達からも離れて……。
何故こんな事になったのかまだ理解できていないのに。
この不安な気持ちを直哉に悟られてはいけない…。
それだけはハッキリと分かっている。
部屋を見て固まっているななを、直哉は後ろからぎゅっと抱きしめた。
ビクッとななの体が強張ったが、直哉は腕を引っ込めなかった。
「…なな…今日から毎日一緒や。」
耳元から嬉しそうな直哉の声が聞こえる。
直哉の言葉を聞いて、ななの心臓がドクンと高鳴った。
直哉くんの気持ちを喜ばないといけない…。
自分の気持ちを置いて、そんな切迫した脅迫の様な気持ちがななを襲った。