【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第9章 私の知ってる直哉くん②※
「もちろん、直哉くんの意思は違うけど、直毘人さんは間違いなくななは邪魔だよねー。」
ドクンドクンと心臓の音が鼓膜に響いて、いつもの直毘人の冷たい目線が頭を過ぎる。
「……でも……直哉くんは……。」
いつも気にするなと、直毘人から庇う様にその視線を遮ってくれていた。
昔は東京にななに会いに来たら、すぐに連れて行かれて行った直哉。
今は、直哉が自ら帰るまで迎えは来ない。
「直哉くんはななを手放さないだろうね…。
それがどんな形でも……。」
悟の声は囁いているのに、煩い位に響いてくる。
「たとえば?本妻と子供を作って、ななを愛人として側に置くとか?」
目の前が真っ暗になる。
そんな事ー。
あり得ないなんて否定できなかった。