【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第9章 私の知ってる直哉くん②※
「…ふーん…俺と違ってね…。」
悟はそう呟くと、一歩でななの前まで来た。
「俺の何を知ってるの?」
ズイッとななの顔を覗き込む。
「……知る訳ないじゃ無い…悟くんの事なんて…。」
理解出来ない存在。
それがななの悟への印象だ。
「そうだよねぇ、直哉くんの事すら分かってないのに、俺の事まで分かるはずないよねぇ。」
悟はニッと笑いながら意地悪そうに言った。
「直哉くんの事は分かってるってば!」
悟から目を逸らして、ななは言った。
「……分かってるんだったらさぁ…。」
ななの顎を掴み、顔を悟の方に向けた。
「聞いてみろよ。いつ他の女を抱いたの?って。」
悟の言葉に、一瞬で頭に血が上った。
掴まれている手を乱暴に払いのける。
「はっ。」
睨む様に見上げるななの顔を見て、悟は笑った。