【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第9章 私の知ってる直哉くん②※
ななは悟の後姿を見ながら昨日の直哉の事を思い出した。
(あの違和感は何だったんだろう…。)
違和感だけでは無い。
確かな直哉の言動の変化。
それがななに、あまり良い印象を与えない。
「…まぁ直哉くんもモテそうだし大変だよねぇ。
婚約者もいっぱい居るみたいだし。」
独り言の様に悟が呟いた。
「………何言ってるの?」
「え?直哉くんの浮気の話じゃなくて?」
振り返る悟の顔を見て、ななの胸がドクンと痛んだ。
「さっ……五条先輩と一緒にしないで下さい!」
思わず声が上擦って、パッと悟から顔を逸らした。
「……俺が…何?」
頭の後ろで組んでた手を下ろして、悟はななに聞いた。
「……直哉くんは五条先輩と違って、色んな女の人と遊ぶ人じゃありません。
……私に…とても一途な人です。」
なんだろう……まるで。
自分に言い聞かせているみたいだった。