【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第8章 私の知ってる直哉くん※
千春は、直哉に言われた通り、口の中のモノを出すと、クシャッとティッシュを握りつぶした。
その光景を、直哉は目を細めて見る。
裸ている直哉の着物を直そうと、手を伸ばした。
「自分でやるからええ…。」
直哉は千春の手から体を避けると、自分で身支度を整える。
ただの性欲処理だ。
そう、直哉の言葉と行動が言っている。
そしてそのまま何も言わずに、頭を下げて部屋から出ようとした。
「千春ちゃん、またお願いしてええ?」
袴を直しながら、直哉は笑みを浮かべて千春に聞いた。
「……はい。」
千春はそれだけ言うと、直哉の部屋を出て行く。
そんな彼女の言動を見送って、直哉は満足だ。
直哉が触り、直哉に触れて、直哉の言葉に反論出来る女。
そんな事を許せるのは、ななだけだ。
禪院家の教育の賜物の様な千春を見て、直哉は改めてそう思う。