【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第8章 私の知ってる直哉くん※
そんな悟の表情にななもまた、ムッとした顔をする。
悟は確かに拐ってきた義務だけは果たしてくれる。
こうして苛々しながらも、ななを術師として育てようとしている。
でも……。
全然先生には向いていない。
何でも出来る悟は、出来ない事が分からないから、人に教えるのが難しい。
ここに傑がいなかったから、ななはここまで成長しなかっただろう。
そう。
ちゃんと成長しているのだ。
だけどそれでは悟は満足していない。
「ななは負の感情にムラがあるんだよ。
もっと均等に呪力を練らないとすぐに呪力切れになってしまうよ。」
優しく言ってくれる傑の言葉もピンとこない。
負の感情って難しい。
怒り続ける事や、悲しい気持ちを持続させるのは無理な話だ。
うーんと、3人で悩んでいても解決出来なかった。
しばらくすると、悟の携帯が鳴った。
どうやらメールらしい。