【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第8章 私の知ってる直哉くん※
悟は無言でメールを確認すると、携帯をポケットにしまった。
「じゃ、後は自主トレで。」
そう言って、手を上げると、早々に2人に背を向ける。
呆然とその様子を傑と見送った。
「………アレは女だな…。」
「え?!」
ポツリと言った傑の言葉に、ななは驚いて傑を見上げた。
女?彼女が居るのに?
「あの人、彼女が居るのに私にちょっかい出してきたんですか?!」
もうすでに居なくなっている悟を指さして、傑に憤慨する。
「いや……彼女かどうかは……。」
「遊び歩いているって事ですか?」
ななの嫌悪感丸出しの顔に、傑はこれ以上何も言えなかった。
言えば言うほど、悟の印象が悪くなる事しか無い。
信じられない。
一気に悟の印象が氷点下まで下がった出来事だった。
何であの人はあんなに直哉くんを下げてたの?!
直哉はずっとななを一途に想ってくれていた。
あんな人に直哉くんの事をどうこう言われたく無い。
その時も本気でそう思っていた。