【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第7章 五条悟③※
悟の呆れた様な声と一緒に、ななの体がズブズブと呪霊に飲み込まれていく。
「ひっ…いやぁぁぁ…。」
叫びも虚しく、呪霊に呪力を吸い取られる様だった。
呪術師にとって呪力を吸われる事は、生気を取られるのと一緒だった。
(あ…これ死ねる…。)
力がどんどん抜けていって、ななは遠のく意識の中でそんな事を思った。
その瞬間に、傑が呪霊を消してくれた。
グッタリしたななを、硝子が反転術式で治してくれる。
今、完全に死にかけたのだ。
(あ…天使…。)
笑顔で治してくれる硝子に、ななは尊い何かを感じた。
「五条、まだイケるよー。」
いや、天使の顔を被った悪魔だった。
「起きろーなな、次行くぞー。」
悟の声に合わせて現れる低級呪霊達。
走馬灯の様に色々な過去が頭を駆け巡った。
高専東京校。
その名前は甘い道のりでは無かった。