【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第7章 五条悟③※
「……はい……。」
ななはジャージをぎゅっと握って、悟を見上げた。
「…………。」
何故か2人の間に沈黙が流れた。
「…あの…。」
着替えるので出て行って欲しい。
言葉にしなければ、この人は出ていかないのか。
「……ちっ……細けぇな…。」
分かってて、出て行かないのか、この人は。
ななは笑顔のまま、悟を部屋の外に追い出した。
ジャージに着替えて部屋から出ると、悟の他に、傑と硝子も居た。
硝子の姿にななはパァっと明るくなった。
「…やるぞ、なな強化計画。」
硝子の側に懐く様に擦り寄るななを見て、悟は無表情で言った。
「ちょっ!五条さん!歩けます!」
またしても術式で運ばれる自分の姿に、ななは叫びながら意義を唱えた。
「お前の歩調に合わせたら、日が暮れるっての!」
悟はそれだけ言うと、高専の奥深くに向かった。
何故って?
勿論『目立たない』為である。