【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第7章 五条悟③※
「それってただ部屋が変わっただけで、結局は直哉くんの思う壺じゃん。」
悟の言葉に、ななは目を見開いた。
「…あんたも呪われてるねぇ…。」
ガタガチに呪われているのに、自分の状況にまるで気が付いていない。
直哉は優しく、ただ自分の思い通りにななを側に置いているだけだ。
ななの意思なんて、そこには無いのに。
「俺は別に慈善活動なんてするつもり無いし。」
悟がななに向かって手をかざすと、術式が発動してななの体が悟の手に引っ張られる。
一瞬で腕の中に入ってくるななを、悟は見下ろした。
「離して…。」
少しも動かない体に、ななは眉間に皺をよせる。
ななに睨まれながら、悟は笑って顔を近づけた。
「助けてやるなんて思ってねぇよ。
その呪い…俺が上書きしてやるよ。」
そうニヤッと笑った悟に、ギリッと奥歯がなった。