【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第1章 禪院直哉の婚約者※
直哉は笑っているななを見て、微笑ましそうに目を細める。
(ああ、ほんまにはよ食べてしまいたい。)
笑顔の奥の目に心の中の願望が映し出される。
「………ヒュッ………。」
ななが固まって直哉を見る。
ななは直哉の起伏にはとても敏感だった。
(ああ、マズイ。)
直哉は気を取り直して笑ってななの頭を撫でる。
「………………。」
警戒して直哉を固まったまま見るななに、
直哉は誤魔化せるまで笑顔で話しかけて、頭を撫で続ける。
(ななはほんまに小動物の様に、異変には敏感や。)
異変を察知出来てもななに出来る事は、ハムスターの様に震えて硬直する事だけだ。
そこがまた可愛いのである。
たまにハムスターの様にサーッと瞬時に逃げる時がある。
それを見るたびに直哉は笑顔の奥で毎回思う。
(やっぱり逃げてもすぐに捕まえられる様に小屋に入れへんと。)