【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第6章 禪院直哉※
ななはグッと目を細めて、直哉を見上げた。
「私……高専に通いたい…。」
「あ?」
直哉の顔が歪んだ。
これはアウトだ。
それでもななは直哉を見つめたまま、ゴクッと喉を鳴らせた。
「……なな。」
「私呪術師になりたい。」
直哉の言葉を被せる様にななは言った。
「直哉くんのお嫁さんにもなりたいけど、やっぱり私は自分の術式も好き。
お父さんの様に、呪術師として禪院家で働きたい。」
「……うちは女は要らへん…。」
ため息を吐いて直哉は体を起こした。
「…それに俺の嫁は呪術師じゃなられへん。」
直哉の言葉に、ななの目がグッと歪んだ。
「……じゃあ、今は直哉くんのお嫁さんになれるの?」
その言葉は、核心を突いていた。
同じ様に直哉の顔が歪むのを見て、ななは体を起こした。
ずっと気付いている。
直哉が何て言おうと、ずっと母屋には他の婚約者候補が居る。
誰もななを認めていない。