【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第6章 禪院直哉※
「そうやな、俺がここでなんぼ言うてもななは嫁になれへん。」
直哉の言葉に、分かってはいたのに。
彼にハッキリと言われて、胸が痛いほど締め付けられた。
「せやけど俺が何もしてへんって思とるか?」
グッとななの肩を抱き、直哉は言った。
「可愛いなぁなな、そんな顔せんといて。」
傷付くななを見ると、背中がゾクゾクした。
自分のためにななが傷付く。
こんなに嬉しい事は無い。
いつだって、ななの感情は直哉に振り回されて欲しい。
「高専いいで…。」
「直哉くん。」
直哉の言葉にななはパッと顔が明るくなった。
「せやけど京都校や、それ以外は認めへん。」
ななの頬を撫でながらキスをする。
「うん…それでもいい。」
ななは嬉しくて、直哉の手に頬をスリっと擦りつけた。