【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第6章 禪院直哉※
ガシャンッと直哉が思い切りテーブルを叩いたので、簡単に木製のテーブルにヒビが入る。
先程より大きくななの体が跳ねた。
やっぱり少しくらい殴っておけば良かった。
グッとテーブルに押し付ける拳が、プルプル震えている。
「……直哉くん……怖い……。」
ななの声で直哉はハッと我に返る。
直哉の手と同じくらい、ななの体も震えていた。
「ごめん、ごめん、ななに怒ったんちゃうで。」
また小動物になっているななをぎゅっと抱き締める。
ああでも、久しぶりに見る小動物のななも可愛い。
結局はななは何をしても可愛い。
そんな可愛いななが、さっきは何か直哉に反抗しようとしていた。
直哉は話がしたいと言ったななを思い返す。
あの目はななが何か決めた時の目だ。
少し怯えさせてしまったが如何だろうか。
きっと直哉の気分が害される話だろう。
ななは話してくるだろうか。