【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
「大丈夫か?なな?何もされへんかったか?」
直哉の優しい声に、悟は目を顰めてうわっとした顔をする。
こんな直哉は見た事が無い。
どうやら相当猫を被っているようだ。
傑がスッと悟の横に来た。
「裏切り者…。」
「…後で話そう…。」
悟は隣に来た傑を、ギロっと睨んだ。
「…悟くん、今回の事は水に流したるから、2度と同じ事はせんといてな。」
ぎゅうっとななを抱きしめて直哉は悟に牽制した。
そんな2人を見て、悟は目を細める。
「ななが高専行くって言うから、すぐに会えるからいいよ。」
悟の言葉に今度は直哉の顔が歪んだ。
「ななは高専には行けへんで。」
「ははっ…直哉くん…。」
悟はスッとソファから立って直哉を見下ろした。
「もう2度と同じようにななは閉じ込めさねぇよ。」
同じ事をするなら、何度でも奪いに行ってやる。
悟の目がそう言ってた。