十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第6章 6
途中何度か吐き気に襲われながら、漸く潤子さんのマンションに着いた僕は、脇目も振らずベッドに直行した。
「おい、メイク落としてから寝ないと、肌荒れるぞ」
潤さんが僕のほっぺたを摘んで言うけど、残念なことに僕の耳には届かない。
僕はフワフワした気持ちのまま眠ろうと、襲ってくる睡魔に従おう…としたんだけどな…
「とっととシャワー浴びて来い」
そんなに時間も経っていない筈なのに、とっくにシャワーを浴び終えた潤さんに引き起こされた。
「明日じゃだめ?」
だってもう眠い…
「駄目だ」
「どうしても?」
「ケチ…」
「はあ? お前なぁ…」
潤さんが呆れた様子出溜息を落としながら、ベッドの端に腰を下ろす。
そして僕を背中から支えてくれて…
「言うこときかないと、襲うけど良い?」って耳元出囁かれた。
その声が…、耳に吹きかかる息が…、凄く熱い。
「どうする?」
どうするって…、そんなの…
「え、えと、あの…、んっ…」
僕がこたえるよりも先に、潤さんの唇が僕の唇を塞いだ。
いつもより深く、そして長いキスに、元々アルコールで熱を持っていた身体が更に熱くなる。
流される…
そう僕の頭が認識した時にはもう遅くて…
「潤…さん?」
潤さんの唇は僕の首筋を辿っていた。