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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


途中、不意に足を止めた翔くんが、僕を振り返った。

「さっきさ、また迷子になったら…って言ってたでしょ?」
「うん…」
「俺さ、迎えに行くって言ったけど、やっぱ前言撤回して良い?」

え、どうゆう…こと?

「もし、万が一にも迷子になるようなことがあったら、ココに来てよ」

え…?

「俺はここで待ってるから、またこの場所から始めようよ」
「何年…かかるかわかんないよ?」

それでも待っててくれるの?

「何十年でも、何百年でも待つよ」

髪も真っ白になって、顔も皺くちゃになっちゃって、腰だって曲がっちゃうし、誰だか分かんなくなってるかもよ?

「どんなに見た目が変わろうと、俺は待ってる」
「約束、だよ?」

絶対だよ?

「ああ、約束する」


この先の未来に何が待っているのかなんて、実際誰にもには分からないし、知る術だって持ってはいないけど、きっと僕達なら大丈夫。


躓いたらまた立ち上がって、何度でもこの場所からやり直せば良い。


運命の人に出会える確率0.0000034%なんて言われるこの世界で、心から愛し、信じられる相手と巡り会えた僕達だもん。


不可能なんてない。


だって、一つ一つの奇跡を繋ぎながら、こうして出会えた僕達は……………なんだから。



『十年・愛』ー完ー
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