十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第6章 6
渡されたのは、目が覚めるくらい綺麗なブルーのカクテルで…
同じく紫色のカクテルを手にした潤子さんと、軽くグラスを合わせると、僕はブルーのカクテルを口にした。
「あ、美味しい…」
オレンジ…なのかな、柑橘系特有の爽やかさもありながら、ほんのり甘みもあって、すっごく飲みやすい。
「あんまり飲みすぎないでよ?」
「うん…」
潤子さんの忠告がなかったら、何杯でもイケちゃいそうだ。
「あ、そうだ、紹介するわね」
潤子さんがそう言って、隣に立っていた黒髪ロングヘアに、スパンコールでキラキラな服を着た、超ド派手メイクのオネエさんを指さした。
「カノジョは斗子。私の親友。で、この子は智子。私の恋人よ」
恋人…か。
こんな格好だけど、改めて〝恋人〟なんて紹介されると、ちょっぴり擽ったいな…
「斗子よ、よろしくね、智子ちゃん」
斗子さんが、派手な色のネイルと指輪で飾られた手を差し出して来るから、僕はそっとその手を握り返した。
「さ、さ、さ、智子…です。よろしく…ね」
僕的には、思いっきり女の子っぽく挨拶をしながら…
そしたらさ、斗子さんはクスッと笑ってから、飛びつく勢いで僕に抱きついて来た。
「潤子が恋人連れて来るって言うからどんな子かと思ったら、すっごく可愛い」って。