十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第5章 5
食事と後片付けを済ませ、潤さんがバスルームに向かうと、まるでタイミングを見計らったかのように潤さんのスマホが震え始めた。
見るつもりはないけど、自然と視界に入る通知の画面には、何やら小難しい事がいっぱい書かれていて、確かめるまでもなく仕事関係の連絡だと分かった。
僕のせい…だよね?
僕のせいで、潤さんの会社の人にもきっと迷惑かけちゃったんだよね?
ちょっぴり責任を感じてしまって、どんどん俯いてしまう僕…
その時…
「いてっ…」
僕の頭にゲンコツが落ちて来て、涙目になりながら見上げると、シャワーを浴び終えた潤さんが、テラッテラの生地のパジャマをしっかり着込んで立っていた。
「なんだ、座ったまま寝てんのかと思った」って。
いくら僕でも座ったまま寝るなんて…良くあることだけどさ、ゲンコツはなくない?
しかも、起きてたし…
「潤さんのスマホが騒々しくて、とても寝るなんて出来なかったし」
ゲンコツのお返しに嫌味で返すと、潤さんはクスリと笑ってスマホを手に取った。
「ちょっとだけ仕事するから、待っててくれるか?」って。
勿論僕の答えは〝YES〟…のつもりだったんだけどな…
色んなことがあったのと、泣き過ぎたのが重なってなのか、瞼がどんどん重くなって来る。