十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第5章 5
潤さんは受け取ったブレスレットを引き出しの奥にしまった。
僕的には捨てて貰った方がスッキリして良かったんだけど、ブレスレットをどうするかは、潤さんの判断に任せることにした。
本当はさ、まだ少し胸が痛い。
けど、心は軽くなった…のかな。
「あーあ、なんか眠くなっちゃった…」
「泣き過ぎだからだろ?」
潤さんが僕の鼻の頭を摘んで、グリグリする。
「智がこんな泣き虫だとは思わなかったな」
「そ、そんなことない…もん」
ってゆーか、自分だって泣いてたクセにね?
良く言うよ。
「どうする、泊まってく?」
「え…、あ、えと…」
泊まるってことは、そう言うこと…だよね?
付き合うって決めた途端、〝泊まる〟って一言がとても恥ずかしく感じてしまうなんて、人(僕だけかもだけど)の心って分かんない。
目を忙しく泳がせながら、ドギマギする僕を見てか、潤さんが吹き出して、それから大笑いを始めた。
「あのさ、いくら俺だって、付き合ってすぐセックスしましょう、にはなんないから」
そうかも知んないけど、そう思っちゃったんだもん。
ってゆーか、そんなに笑う?
「泣いたと思ったら、エロい事考えて赤くなったり、お前って、マジで忙しい奴だな」
ねぇ、それって、褒めてんの?
貶してんの?
どっち?
多分〝後者〟だと思うけど…