十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第5章 5
ニノから受け取ったスマホの画面には、僕の見間違いでもなんでもなく、確かに翔くんが写っていた。
多分、SNSか何かにアップされた物なんだろうけど、ジュエリーショップらしき場所で撮られたっぽい写真だ。
そして、はにかんだ表情の翔くんの隣には、潤さんのウィッグと同じ色の髪をした青い目の男の人がいて…
寄せ合った二人の左手くすりには、同じデザインのシルバーのリングが嵌っている。
「あ、あの…さ、きっと何か…、そう、ふざけてたんじゃない?」
「そ、そうだよ、絶対そう」
「ほら、アメリカンジョークっていうかさ…」
ニノと相葉さんが交互に慰めのような言葉を口にするけど、残念なことに、僕の頭には何一つ入って来ない。
とにかく頭の中が真っ白になって、なのに目の前は真っ暗で…
だってそうでしょ?
あんなにペアの物持つのを恥ずかしがってた翔くんだよ?
なのにペアリングして、こんな嬉しそうな顔しちゃってさ…
有り得ないよ。
絶対何かの間違いだもん。
僕は自分に強く言い聞かせた。
でも、その写真の片隅に書かれた文字を見て、それが現実なんだって…
そう認識した瞬間、僕は店を飛び出していた。
外は雨が降っていて、数分も経たないうちにずぶ濡れになってしまったけど、それでもかまわなかった。