十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第4章 4
飲み過ぎが祟るって、こうゆうことなのかなって、僕はガンガン痛む頭を押さえた。
「腹は?」
「え?」
「腹は減ってないかって聞いてんの」
あ、なんだ、そうゆうことか。
「特に…は」
「そ。じゃあ、身体は?」
「身体…ですか?」
聞かれても、頭の痛みが強過ぎて、何のことだか考える事が出来ない。
「大丈…夫、だと…」
「ふーん、じゃあ服着て?」
「は…い…」
…って、え?
何で僕裸なの?
まさか僕、酔った勢いでこの人…と?
有り得ないと思いつつも、辺りを見回すと、明らかに脱ぎ散らかされた服が、あちこちに落ちている。
下着から靴下まで、全部…
やっぱり僕、この人と…
目の前が真っ暗になったような気がして、そしたら自然と涙が溢れて来て…
「お、おい、いきなり何だよ…」
濃い顔の人…潤さんが驚いたように僕に駆け寄り、ティッシュを渡してくれるけど、僕はそれを受け取ることも出来なくて…
僕は翔くんを裏切ったんだ。
いくら寂しかったからって、会ったばかりの人と、しかも酔った勢いで僕は…
ノロノロとベッドから出ると、床に散らばった服を拾い集め、順に身に着けた。
そして最後にキャップを被った僕は、潤さんに深々と頭を下げ、部屋を出ようとした…けど、玄関まで行って引き返した。