十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第4章 4
あ…れ…?
僕、酔っ払ってんのかな?
いやいや、いくら何でもグラス一杯で酔っ払うなんて、ありえない。
「どうかした?」
「えと、いや、変な声が…」
「は?」
首を傾げるニノの眉間に、深い皺が寄る。
ひょっとして、ニノには聞こえてない…とか?
え、だとしたら僕、相当ヤバイんじゃ…
僕は背筋がゾワッとするのを感じて、ゆっくり声のした方を振り返った。
すると、金髪美女(?)が突然僕のほっぺを摘んで来て…
「え、ちょ、ちょっと…?」
「名前…」
「へ?」
「だから、お前の名前は?」
「お、大野…智…です」
突然のことに動揺しつつも、しっかり答える僕。
ってゆーか、この声って…
「俺は潤…松本潤。智か…、顔も可愛けど、名前も可愛いじゃん」
「え、えと、あの…え?」
ねぇ、今〝俺〟って言った?
え、どうゆうこと?
益々混乱して来た僕は、助けを求めるべくニノを振り返るけど、ニノは今にも吹き出しそうに口を両手で押さえていて…
「コラコラ、お前らあんまイジメんなって」
「だぁって、智の顔ったら…プッ…」
とうとう吹き出したニノに、カウンターから出てきた雅紀さんがデコピンをお見舞いするけど、その雅紀さんの顔だってしっかり笑ってる。
えー、もぉ、一体どうゆうこと?