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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第4章 4


もうしっかり看板も消えているにも関わらず、全く悪びれる様子もなく入って来たのは、目にも鮮やかな紫色のミニワンピに、膝上まであるロングブーツ姿の、金髪美女(?)で…

その人は僕の隣にドカッと腰を下ろすと、僕のグラスを取り上げ、ポットの水を目いっぱい注いでから、まるで煽るようにグラスを傾けた。

ゴクゴクッと、大袈裟なくらい喉を鳴らして水を飲み干すと、まだ飲み足りなかったのか、水を注ぎ足しあっという間に飲み干してしまった。


ってゆーか、もうお店終わってる…よね?
え、何、この人…


思いっきり訝しんでいると、その人はニッコリ笑って、何事も無かったかのように僕にグラスを返して来た。


変な人…
あんまり関わらない方が良いかも?


僕は身体ごとニノの方を向くと、口紅のベットリ着いたグラスを手に、困惑の表情を雅紀さんに向けた。

すると雅紀さんは僕の手からグラスを取り上げ、新しいグラスに取り替えてくれた。

そしてゆっくりと腰を上げると、外した前掛けを腰に締め、再びカウンターの中へと立った。

「もぉ、相変わらず遅いんだよ、潤ちゃんは」


あ、なんだ雅紀さんの知り合いなのか。
だからこんな時間に…


ちょっとだけホッとした僕は、グラスにビールを注ぎ、口元へと運んだ。

その時…

「お前、名前は?」

どこからともなく野太く…はないけど、明らかに男の人の声がして…
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