十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第4章 4
ニノの質問の答えに暫く考え込んでいた雅紀さんだけど、突然何かを思いついたように人差し指をビンと立てると、自慢げに鼻をフンと鳴らし笑った。
「チャーシュー一枚プラスしたし」って。
それには流石の僕も呆気にとられたってゆーか…
ニノが唖然とするのも分からなくもないとゆーか…
でも直後笑いが込み上げて来て、僕とニノは顔を見合わせて笑った。
それはそれは大爆笑で…
こんなに笑ったの、いつぶりだろうってくらい、笑った。
「え、オレ、何か変なこと言った?」
カウンターの中で雅紀さんが慌てる程だった。
「だーから、そういうことじゃないんだよな」
「でも良かったじゃん。僕なんて、うっす〜いのが一枚入ってただけだよ?」
僕が言うと、雅紀さんが「そんな筈は…」とアタフタとしていて…
その様子にまた笑いが起こる。
「もぉ、冗談だってば」
「なんだ、冗談か…」
ホッと胸を撫で下ろす雅紀さん。
え、まさか冗談だと思ってなかった…とか?
そんな筈ないよ…ね?
もし本気だと思ってたとしたら…やっぱり面白い人だよ、雅紀さんて。
「おっと、こんな時間だ。オレ、ちょっと暖簾入れてくるね」
壁にかかった時計を見て、いそいそと雅紀さんがカウンターから出てくる。
そっか、もうこんな時間なんだ。
楽し過ぎて、時間の感覚全然なかったかも…